これ、完読してから紹介しようと思って我慢に我慢を重ねていたのだが、もう我慢できない!
- 告白 (中公文庫 ま 35-2)/町田 康
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傑作、快作である!ミ凸ヽ(^_^ )
いや、まだ完読してないので、599ページ以降どう展開するかは知らない。
まだまだあと200ページくらいのこっているかなりの大作である。
しかし、冒頭からとにかく笑いが止まらない。
もともとこの作家の作品というのは映像的で、コトバがなぜかダイレクトに瞼の裏側にヴィジュアライズされるのだけれど、今回は、コトバが河内のコトバ、この方言やアクセントは静岡在住の私には全然わからないにもかかわらず、鼓膜を震わせて、聞こえてくるのである。その会話が。
お話は、「河内十人斬り」という実際の大量殺人事件をモチーフにしているようで、本来ならどちらかといえば陰惨な話しなのである。しかし、599ページ現在、陰惨な感じは全くなく、ちょっとした変人のおもしろ半生記のような風情である。ここから陰惨になるのであろうか?
ここまできてちょっと「河内十人斬り」で検索をかけると結構出てくるし、この物語の主人公である城戸熊太郎という人物をはじめ、登場人物もほぼ実名で登場してくる。
河内音頭のスタンダード・ナンバーとして、地元の人にはなじみの深い物語だそうである。
しかし、この小説をここまで読んだ段階では、この熊太郎がこんな残酷なことをできる人間であるとは思えず、事件に女がからんでいることが推測できるという程度にとどまる。
とにかくコトバが面白い。
いわゆる神の視点で書かれているので、途中熊太郎そのた登場人物の心情も独白的に書かれていてその内面表現がとてつもなくぶっ飛んでいる。
さらには、この熊太郎の行動を書きながらも、時々その行動について、作者がツッコミを入れて、これがまた絶妙の「間」があって、とにかく笑えてしまうのだ。
そして、もうひとつ驚異的なのは、この大作が、まったく分割されていない、章分けされていないままグングンと熊太郎の出生から成長、堕落、そしておそらくその死までを辿るのだ。
読者の読みやすさなんかひとつも考えてない(笑)
でも、これはファンク・ミュージックや、アフリカの音楽などにあるような、同じリズムをずっと繰り返すことによってうまれてくる高揚感、グルーヴ、それを生み出す元になる。
もちろんコレを一気に読めるのは相当に時間と体力がある人に限られるだろうけれども、このひとのこの文章のリズムは、1日や2日では消えないのだ。
気持ちがぐいぐいと引き上げられ、熊太郎と同化していく。
この小説のテーマは
「人はなぜ人を殺すのか?」
である。
完読したらまた感想を書きたいと思うけれど、これは近代日本文学史上に残る名作と言っても過言ではないと思う。
ちなみに第41回谷崎潤一郎賞受賞作品である。
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